赤富士(凱風快晴)でボールペン画をやってみた

細かいキャラクターイラストで、1つの絵に仕立てるボールペン画を作っています。
その新作を発表します。

まず作品

富嶽三十六景の

『FUGAKU2・AKAFUJI』

「富嶽三十六景」の赤富士(凱風快晴)をもとに描いています。

山や雲の輪郭を、隅々まで再現しました。
雲の形の細かいニュアンスまで表現した、良作になったと思います。

前回の反省

前回はフェルメールで描いてみました。

フェルメールでボールペン画を描いた
真珠の耳飾りの少女で作ったボールペン画

思った以上に大きな反応があって良かったのですが、新作をやるからにはこれを超えないといけないと思いました。

個人的には中身のキャラクターのバラエティや面白さが、もう一歩足りなかったと考えていたので、まず作るキャラクターの質の強化を目指しました。

今まではただ輪郭に沿って完全に思いつきで描いていましたが、今回は作る前に40体ほどキャラクターを描き、それを当てはめることもしてみました。

余計に時間はかかりましたが、キャラクターの選別をして質の向上になったと思います。

赤色には赤らしいキャラクターを、といった具合にも調整しました。
緑色に植物系が結構入っているのも、ポイントです。

デジタルの導入

また今回大きく変えたのは、清書をデジタルにしたことでした。

今までの作品は、アナログゆえに作品を拡大してみると粗く見えてしまうところがありました。
Web上で見ると特にその粗さが目立ちます。

またアナログで描くと、そのサイズのままで、拡大・縮小に対応しにくい欠点もありました。

これらの解消のため、デジタル化に踏み切りました。

ただこうなってしまうと「ボールペン画」でなくなってしまうことや、アナログで細密画で描くからこそ価値があるのではないか、と悩んだりしました。

ですが、小さく描けることは今まで幾度も証明しましたし、デジタルを使って何か新しい方向性を見つける可能性に賭けて、やってみることにしました。

ちなみに、完全なデジタルではなく、キャラを考える作業まではアナログです。

凱風快晴のボールペン画の元絵
こんな感じで

やってみて・展示してみての感想

使うツールなどまだまだ反省点はありますが、いつも通りの綺麗な出来になったかと思います。

そして、Web 上でも細部まで見応え十分なものになったと思います。


展示をしてみてわかったのは、元絵の持つパワーでした。
結局フェルメールの方が、多くの人にインパクトがあるのだなと思いました。

「凱風快晴」もまとまりがあって良い絵だと僕は思ってましたが、まとまり過ぎているのかも知れません。


また、いつも通り2 L サイズで出しましたが、このサイズでは一個一個のキャラが見えづらかったかもしれないです。

雲の複雑な輪郭につられると、どうしてもキャラクターが細かくなりがちなので、なるべく大きく描くように努めた方が良かったと思います。

完成形をしっかり見据えて作らねば、と改めて反省しました。

まとめ

赤富士作品でした。

以前、「FUGAKU(1)」を描いた時から次はこのモチーフでと思っていて、いや何か新しいことをやるときに使おうと考えていました。今回それを形にできました。

ただ反省は多いので、次に繋げたいです。
次回もこのボールペン画作品の世界を、うまく掘り下げていきたいです。

  • 次ページ:キャラクター1個1個バージョン