家紋を「作ってみた」シリーズ。
今回は、以前載せた食べ物紋の記事を、新しくできた紋を追加して紹介します。
動的な食べ物 -炒めチャーハンなど-
躍動する食べ物たち。
食べ物をデザインする鍵は、食べ物の中の、数少ない「動的」な瞬間を捉えることかなと思います。
「チーズフォンデュ」は特に、その点で良い出来になったかと思います。
このテーマの際参考にするのは『食品サンプル』です。
視覚のみで「美味しそう」を表現するという難題をこなす、良質な造形デザインであり、アートすら感じるものです。
食品サンプルのお店について

自分はよく浅草のかっぱ橋道具街の食品サンプル専門店に行きます。
その一つ一つの造形美をもとに、あれこれ考えたりします。
ただ、このコロナ禍で閉店したお店もあるそうで、現状は厳しいようです。
かっぱ橋には何件か食品サンプルのお店があります。
面白いので興味のある方は、是非。
6Pチーズなど
こちらは、動き少なめですが人気が高かったものを集めました。
「6Pチーズ」のような、ただ置いただけのデザインは、一歩間違うと0点の出来になるので、結構難しいです。
凡庸になるか良いデザインになるか、その境目はどこか… それはとても難しく、まだ全然言語化できていない問題です。
「ネバ納豆」は上の納豆とはまた違った視点で「ネバ感」を表現しました。
どちらもいいかなと思います。
この、外側から中央に向かう動きといった「動き・流れのあるデザイン」は、一つ、今後のテーマです。
元々の家紋にも少ない要素なので、ちょっと真剣に取り組んでいます。
おでんとか
「おでん」は一つの紋に四つの要素を入れた珍しいパターンです。
複数の要素を入れるとデザインが曖昧になりがちですが、おでんは一つ一つがシンプルなので、よくまとまったかと思います。
真ん中のこんにゃくは北条鱗です。

〇ル伝ではないです。二等辺三角形が北条鱗のポイントです。
湯切り
湯切りやしゃぶ鍋など、食べ物に関連したもの多めです。
ピザ回しのような、少々食からズレているようなものも取り入れていきたいです。
まとめ
いろんな角度から作ってきた、食べ物紋でした。
食は本能なので、このテーマは人の本質に触れた重要なものだと思います。
その反面、日常に溶け込んでいるものなので、注意深く生きていかなくては、その中にある「デザイン」を取り出すのは難しいです。
やはり、食品サンプルと同じ難題に足を突っ込んでいますが、悪戦苦闘しながら、新しい食紋を生み出していこうと思います。