今までいろんなボールペン画を発表してきましたが、そもそもの始まりの作品や、初期の頃のものを紹介したいと思います。
一作目・フットステップ
『Footstep -あしあとを-』
最初は靴底の形をモチーフにしました。
これを描いたのは、絵の授業がきっかけです。
よくあるトレーニングで、街中にあるマンホールとか、でこぼこしたものを鉛筆で型取りしてくるといったものがあります。
形に興味を持とう、といった訓練です。
僕はこの時かたどった靴底の形を面白く感じ、何かに使えないかなと考えました。
ちょうど同じ時に古代壁画のような絵の描き方にはまっていて、
これをこの靴の形に沿ってかいてみよう!と思ってかいたのが、上のものです。
最初から細かいですね。
修正もほぼ無しで、ぴったりハマるように描けたのは、今でもなぜなのかちょっと分かりません。
特に何の技術もなく、ただ空白を絵で埋めています。
家紋作りでもそうですが、「形」に強い興味を持っていて、いろんな形のストックが頭に入っているのかもしれません。
イラストというより、形をかいていると言った方が正確です。
不思議な仕上がりになった完成品を見て、何か色々できそうな手応えを感じ、ボールペン画シリーズは始まりました。
(割と周囲から好評をもらってしまい、調子に乗った側面もあります。)
二作目・公正マーク
『公正ということ』
2作目はマークにしました。
太い丸ゴシックの、野暮ったいほどストレートな「公正」という字に強いパワーを感じ、モチーフに選びました。
輪郭がはっきりしていて、やりやすそうだったからでもあります。
今回から色を取り入れました。
緑が基調なので目に優しいです。
描く方も、この色だとポップな感じになります。
前回の呪術的な雰囲気より、少しキャッチーになり、自分の理想に近づいたなと思いました。
大きさもハガキサイズのちょい大きめで描いたので、展示でもポストカードにしやすく、多くの方に気に入って頂けました。
三作目・歩行者マーク
『親子像』
勢いづいて、またマークを選びました。
今回はよりストレートに、モチーフの面白さに共感をいただきました。
都市伝説的な話もあるらしく、思った以上にキャッチーなものだったことが良かったです。
形としては、白と絵の分岐が綺麗に分かれていて、良いと思います。
特にワキの部分などは、
烏帽子をかぶった武士がうまく入っています。
一体一体のキャラクターの大きさが、この作品は絶妙に良いと思います。
最近はむしろ「小さく描きすぎないこと」をテーマにしています。
細かさを極めて「アート」を目指す方向もありますが、僕としてはより多くの人に楽しんでもらいたいです。
つまり、このシリーズは「イラスト」としてかいています。
おまけ・伝統マーク
『伝統をつなぐこと』
シャープな形と円のバランスが良く、お気に入りのデザインでしたが、そもそも伝統マークの認知度が低く、あまり好評を頂けなかった作品です。
中に入っている動物キャラクターは、うさぎとかなかなか可愛いので、それだけでも別に楽しんでもらえればと思います。
まとめ
ボールペン画の、はじまりの作品でした。
この後、浮世絵や像(仏像)などに発展していきました。
自分が思う「形の面白さ」を生かして、これからも面白い絵を考えていきたいです。
「絵を描く」より「絵を企てる」といったイメージで、切り込んで行こうと思います。