オリジナルで家紋を作っていて、それをジャンル別に紹介しています。
今回は「アート」をテーマにまとめています。
モディリアーニとマグリッド
まず西洋絵画から。
といってもマグリットが三つです。
マグリットは、調べてみるともともとグラフィックデザインの仕事をしていたり、アートというよりはプロダクツ(製品)を作る思考の人かなと思います。
絵を描くというより、面白い視点を生み出すということをしていて、それこそ自分の目標とするところです。
「心の師」だと考えています。
ここで著作権の話
著作権はアートを扱うときに重要ですが、2018年にTPPが締結された関係で、著作権が切れるのが作者の死後50年から70年に変わったそうです。
ということで、2017年に著作権が切れたマグリットは良いと思うのですが、もう少しで切れそうだったエッシャーをテーマに作った家紋はここでは載せられなくなりました。
ピカソやダリあたりもアウトなのです。
最近では、大正時代の「成金おじさん」をモチーフに作ろうとしたら、作者の方が長生きな方で、全然アウトなケースもありました。
家紋の著作権は、ほとんどが明治までの名もないデザイナーさんの手によるものなので、ありません。
ただ、いくつかの家紋は(本当に一部の家紋)は商標登録されており、使えません。
これだけいいデザインが多いのに、誰が作ったのかはわからない、根本的な謎があるのも家紋の魅力です。
何冊か家紋の本を読みましたが、デザイナーが特定されているものは、ない、ようです。
ゴッホやダヴィンチ
ダヴィンチの人体(ウィトルウィウス的人体図といいます)は家紋の4cmぐらいの大きさの中では、ちょっと小さすぎるデザインで、それが惜しいなあと思います。
ゴッホの独特のタッチならモノクロでも伝わる気がしたのですが、糸杉(星月夜)の色の魅力もやはり強いなと思います。
西洋絵画は線より色で見せるものが多く、モチーフ選びは慎重になります。
日本画
「麗子像」の暗い感じはうまく表現できたかと思います。
歌川国芳の骸骨の絵は相馬の古内裏がモチーフです。
よくできたと思いますが、枠で切り取りすぎて伝わりづらかったかなと思います。
普通にキモイかも、とも思います。
「餓鬼」は餓鬼草子から取りました。
マニアック家紋として、良いかと思っています。
日本の芸能
人形浄瑠璃、歌舞伎、能をモチーフにしました。
能の開祖とも言われる世阿弥の「風姿花伝」の書評も以前、してみました
が、まあ、あの、ユーチューバーの「やってみた動画」みたいなものと思ってください。
能面は怖いです。
別バージョンを作ってみて、どちらも怖い、というのをやってみました。
怖い家紋
個人的な裏テーマとして、怖い家紋や、なんかよく見ると怖い家紋をいくつか作っています。
妙な話かもしれませんが、個人的に「楽しい」とかいった感情よりも「怖い」という気持ちを多く持っていて、それが自分の作家性の中心にあると思います。
一般的に「普通」だと思われていることに「何でそうなってるんだろう…」と考えがちです。
そういった、嫌な記憶のフックが、もの作りには面白い方向に行くと思います。
というわけで、怖い紋もまとめてみました。
おまけ・デッサン人形
デッサン人形には大変お世話に…なってないのでなんとも言えないし、このポーズもなんだか意味がなくて、気に入ってます。
3Dモデルもある現代では生き残れない気がしますが、なんとか生き延びて欲しい可愛さがあると思います。
まとめ
アートの家紋でした。
アートの参考文献として「世界の美術コンパクト版」という、全然コンパクトではない本を推したいのですが、長くなったのでやめます。
一言で言うとアートの歴史、受け継がれてきた系譜を理解できる良書です。
アートの紋も権利に注意しながら、うまく家紋で表現できそうなものを新しく作っていきたいです。