小さいキャラクターでひとつの絵に仕立てる、ボールペン画シリーズ。その最新作です。
まず作品
『接吻、とそれに関係なく集まった奴ら』
(The kiss, and those who gathered regardless)
- 制作年月:2021年5月
- 制作期間:4週間
今回の指針
今回も「打倒フェルメール(過去作品)」を掲げて制作しました。
西洋画をモチーフにすることは決めていたので、図書館にこもり、「世界の美術」という分厚い禁帯出の本をずっと読んでいました。
この本はおすすめです。
ルネサンス期から現代までの美術家を、そこまで深堀りせず紹介している本です。
読んでいくと、美術家の葛藤の歴史を肌に感じ、シビれます。
ただ、良い刺激になった割に、モチーフ選びは難航しました。
色数が多くて、細かいニュアンスも多い絵がほとんどで、はっきりした線と相性が良いボールペン画に不向きでした。
制作過程
結局「なんとかやれそう」といった感触で、クリムトの「接吻」をモチーフにしてみました。
この作品の時代性と、独特な作風について語ると際限がなくなるのでやめますが、よく日本の方の説明では「浮世絵からの影響が濃い」と言われがちですが、ルネサンス期よりも前の絵、「ビザンティン美術」に強い影響を受けていることは言っておきたいです。
拙さもあるとは思いますが、500年以上前の絵でも、何か「美」の一端に触れている所があって、感心してしまいます。
制作過程!
脱線しました。今回はボールペン画を作るにあたって、ブロックごとに分けた下絵を作りました。
なるべく服の模様も再現することは頑張ってみました。
また、どうしても顔や手のニュアンスは出せないと考えたので、原作をそのまま使いました。
これが良かったかどうかは、ちょっとまだ分かりません。
上の下絵を用いて絵を埋めていったのが…
これです。料理番組の「10分後の料理」みたいにすぐ出てきましたが、ここでかなりの制作時間を費やしています。
これを清書し、色を変えて調整し、完成しました。
ちなみに:西洋絵画への尊敬を込めて
背景の濃い金色の部分に、特に集中的に「西洋絵画キャラ」を入れています。
ジャック・ルイ・ダヴィッドやモディリアーニ、ミケランジェロなどがモチーフです。
まとめ
ウィーン美術の至宝、クリムト先生の「接吻」を今回は取り上げました。
原作の美しさに何とかしがみついて、良い作品になったと思います。
次回は、…と言いたいところですが、次の構想が今は思い描けていないです。
何か少し他のことをしようか、とか考え中です。
これからも「面白い一撃」を作れるよう、精進していきたいです。